資格取得支援制度がある職場の特徴

看護師は高度な知識や技術を持つ専門職として注目されているが、職場内で専門的なスキルを身につける上で、資格取得支援制度がしっかりと整っている職場を探すことが重要だ。例えば、幅広い年齢層の看護師が活躍している医療機関においては、一人ひとりのスタッフの年齢や経験年数、役職などに応じて、様々な資格の取得に向けたサポートを行っているところが多くある。また、業務の合間に有資格者の看護師が若手の指導をしたり、定期的に資格試験の対策講座を開いたりしている医療機関も珍しくない。そうした中、看護師として働きながらキャリアアップをしたいのなら、認定看護師や専門看護師など多くの有資格者を輩出している医療機関の取り組みに目を向けることが大切だ。

資格取得支援制度の対象となるスタッフについては、それぞれの医療機関の方針によって大きく異なる。そこで、就職をしてから後悔をしないためにも、採用面接を受ける際に就職後の資格取得のためのサポートの有無についてきちんと担当者に説明を受けよう。現場で看護師として勤務をした後に管理職のポジションに就きたい人については、各医療機関の管理職登用の条件を把握して勤務先を選ぶことがポイントだ。尚、資格の種類によって取得できるまでに必要な年数や費用などに大きな差がある。そのため、自力で調べるのも良いが、機会があれば実際に自分が目標としている資格を持つ先輩看護師にアドバイスを受けると良いだろう。

看護師の離職事情が深刻なわけ

慢性的な人手不足が続く世の中において、特に就労者の確保が急いで行われている職種の一つが看護師である。その背景には、看護師特有の3つの理由による離職事情がある。理由の1つ目は、看護師が、常にスキルアップやキャリアアップを求められる仕事であるということである。医療の進歩は目まぐるしく、常に変化に対応し続けなければ、自らの価値を維持することは容易ではない。そのため、看護師は常により一段レベルが上の職場を求めて離職するというインセンティブが働きやすいのだ。

次に2つ目の理由だが、1つ目の理由とは逆に看護師は拘束時間が長いために、ワークライフバランスとの両立が困難ということである。特に、出産や育児などの負担が重い女性にとっては悩ましい問題となっており、働き続ける意志はあるにもかかわらず、時間を確保できないために仕事を辞めざるを得ないという状況が生じやすい。もっとも、この点については短時間労働などが取り入れられてきており、状況は改善しつつある。

最後の3つ目の理由は、職場での人間関係が複雑だということである。医療の現場には医師や患者など全く異なる立場にいる人が数多く登場することから、それら全ての人と良好な人間関係を築くには高度なコミュニケーション能力が必要となる。そのため、うまくいかない場合には日々ストレスを抱えることとなり、耐えきれなくなった看護師が離職を余儀なくされているというケースが見受けられる。